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婚約とは?婚約の定義や方法、メリット、法的効果などを解説

2022.05.20 TOPICS

パートナーとの結婚を考えるときに忘れてはいけないのが、婚約です。

「『婚約』という言葉自体は聞いたことはあるけれど、イマイチ定義を理解していない」「婚約をすると、どんな変化が起こるのかがわからない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、婚約の定義や方法、メリットや法的効果について解説します。パートナーとの将来を考えている方にぴったりな内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

婚約とは

まずは、「婚約とは何か」を確認しましょう。

  • 婚約の定義
  • 婚約の法的効果
  • 婚約を立証するには

婚約の定義

婚約とは、文字通り結婚の約束をすることをいいます。

結婚と違い、婚約には決められた手続きが存在しません。婚約は、当事者間の合意があれば成り立つのが特徴です。お互いに「結婚したい」という意思さえあれば、口約束でも成立します。プロポーズで前向きな返事をもらえたら、婚約が成立したと考えられるのが一般的です。

なお、婚約が成立してから入籍するまでの期間は「婚約期間」と呼ばれています。

婚約の法的効果

明確な手続きは存在しないものの、法的効果を持つのが婚約の特徴です。

婚約は、当事者間の合意による「契約」とみなされます。よって、婚約を一方的に破棄する行為は契約の債務不履行に当たり、損害賠償や慰謝料の請求をされる可能性があるのです。

ただし、婚約破棄による損害賠償や慰謝料の請求をする際には、ふたりが婚約状態にあったことを裁判所に証明する必要があります。婚約は口約束でも成立しますが、その場合、裁判所などの第三者に婚約状態を証明するのは難しいでしょう。

このように、婚約は第三者に婚約状態を証明できるような方法をとるのが望ましいのです。どのような婚約方法をとるかはふたりの意向次第ですが、万が一のことを考えてよく話し合っておくのがおすすめです。

婚約を立証するには

万が一婚約破棄による損害賠償・慰謝料の請求を行う場合、訴える側はふたりが婚約状態にあったことを立証しなくてはなりません。裁判所で婚約を立証するには、次のような客観的事実が必要です。

  • 結納の儀式を行った
  • 婚約の合意書を作成した
  • 婚姻届出用紙を作成した
  • 婚約指輪を贈った・もらった
  • 結婚に向けて同居や結婚式の準備を進めた
  • お互いの両親に婚約者として紹介した

裁判所は、このような客観的事実からふたりが婚約関係にあったかどうかを総合的に判断します。これらの項目はあくまでも一例ですが、これらの要素が複数該当しているほうが婚約状態を認められやすくなるでしょう。

訴訟では、ふたりのメールや手紙のやりとりについても参考にされる場合がありますが、あくまでも補助的な要素となります。

「婚約時から訴訟のことを考えるなんて」「自分たちに限って婚約破棄なんて」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、万が一のこともしっかり考えておきましょう。

婚約のメリット

続いて、婚約することのメリットをまとめました。

  • 結婚への意識が高まる
  • 安心感が生まれる
  • 周囲に結婚の意思を表明できる

結婚への意識が高まる

一番のメリットは、結婚への意識が高まることです。

これまでなんとなく将来を考えていたカップルであっても、婚約をすることで一気に気が引き締まります。金銭面においても、将来のことを考えて節約に勤しむ、あるいはこれまで以上に仕事を頑張る動機になるでしょう。

また、万が一パートナーと喧嘩してしまった場合であっても、婚約しているという事情から「仲直りしよう」「歩み寄ろう」という意識が自然と生まれる傾向にあります。

このように、結婚への意識が高まり、気が引き締まる点は婚約の大きなメリットです。

安心感が生まれる

安心感が生まれる点も、婚約のメリットです。

「大好きなパートナーとこの先もいっしょにいられるのか」という不安を抱いていた方は、婚約を機に払拭できるはずです。婚期に対する不安を抱いていた方も、きっと気持ちがラクになるでしょう。

このように、パートナーと結婚できるのだという安心感が得られる点も、メリットですよ。

周囲に結婚の意思を表明できる

周囲に結婚の意思を表明できる点も、婚約のメリットです。

婚約を通して周囲に結婚の意思を表明できれば、家族や親戚にとって嬉しい報告ができます。また、職場の同僚に表明しておけば、今後の結婚生活や働き方について相談しやすくなるでしょう。

このように、結婚の意思を公にできる点も、婚約の大きなメリットですよ。

婚約の方法

続いて、婚約の方法について解説します。

  • 口約束
  • 結納
  • 両家顔合わせ

口約束

一つ目は口約束です。婚約は当事者間の合意があれば成り立ちますので、口約束でも婚約でも成立します。ただし、お互いが真剣に結婚を考えていることが成立要件です。よって、ジョークで「結婚しよう」と言った場合や、泥酔した状態でプロポーズした場合は婚約として認められません。

なお、口約束は、先に説明したように婚約状態を第三者に証明するのが難しい方法です。「婚約指輪を贈る」「婚約の合意書を作成する」など、婚約の証拠を残せるような方法をあわせて選択するのがおすすめですよ。

結納

二つ目の方法は、結納です。

結納とは、婚約を成立させるための、日本の伝統的な儀式です。結納では、婚約成立の証として「結納品」のやりとりを行います。結納にはさまざまなスタイルがあり、現在は正式結納、略式結納のふたつが主流です。

正式結納は結納の中でも伝統的なスタイルで、仲人を通して結納品を交わします。正式結納では、9品目の結納品が用意されます。対する略式結納は、仲人を通さず、ホテルや料亭で行われるものです。この場合は、新郎側のみが結納品を用意するのが一般的です。

結納を行うか否かは各家庭のしきたりによりますので、お互いの意向を事前に確認しておきましょう。

両家顔合わせ

三つ目の方法は、両家顔合わせです。現代では結納に代わって、結納品を用意せず両家の顔合わせのみで済ませる方法をとる家庭が増えています。

両家顔合わせでは、記念品の取り交わしが行われる場合もあります。結納で用いられる結納品とは違い、品目が明確に定められていない点が特徴です。日本の伝統的な儀式として知られる結納よりも、リラックスした雰囲気で臨めるでしょう。

こちらも両家の意向によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。顔合わせ場所によって適した服装も異なりますので、当日に困らないよう打ち合わせしておくのがお勧めです。

婚約期間中に行うこと

続いて、婚約期間中に行うことをまとめました。結婚に向けた準備は多岐にわたるため、抜け漏れがないようにしっかりと確認しておきましょう。

  • 婚約指輪の購入
  • 両家への挨拶
  • 入籍日の決定
  • 結婚式場を決定
  • 結婚指輪の購入
  • 周囲への報告
  • 婚姻届の提出

婚約指輪の購入

プロポーズを承諾してもらえたら、まずは婚約指輪を購入しましょう。

婚約指輪をプロポーズといっしょに渡す方が多いのですが、プロポーズ後に渡す方もいらっしゃいます。プロポーズ時に購入していない場合は、このタイミングで購入しておきましょう。

婚約指輪の予算は人によって異なりますが、目安はお給料の約1か月分と言われています。オーダーしてから手元に届くまで、最低でも1、2か月はかかりますので、なるべく早めにオーダーするのがおすすめです。

婚約指輪の購入を済ませたら、次は両家への挨拶を行います。

両家への挨拶

プロポーズを承諾してもらえたら、まずはお互いの両親へ挨拶を行います。どのような場所で行うかはしきたりによって異なりますので、トラブルにならないようお互いの両親とよく話し合っておきましょう。

両家への挨拶で注意したいのが、服装です。高級レストランなど、会場でドレスコードが指定されている場合はそれに従ってください。ドレスコードが設けられていない場合であっても、カジュアルすぎる服装は避けた方がお相手の両親にいい印象を与えられるでしょう。

また、顔合わせでは手土産を持っていくのがおすすめです。両家への挨拶を終えたら、入籍に向けて動き出しましょう。

入籍日の決定

続いて、入籍日を決めましょう。入籍日の選び方は人によって異なります。例えば、次のような例があります。

  • ふたりの記念日
  • 11月22日(いい夫婦の日)など、語呂合わせのいい日
  • 「大安」や「一粒万倍日」など、縁起のいい日

反対に、次のような縁起の悪い日は避けられる傾向にあるようです。

  • 「仏滅」や「赤口」
  • 寅の日(出戻りのイメージをもつため)

入籍日はふたりにとって特別な記念日になりますので、よく話し合った上で決めてください。

なお、休日・夜間に婚姻届を提出する場合、役所の時間外窓口を利用することになります。婚姻届に不備があると後日修正が必要になり、入籍日がずれてしまいますので注意しましょう。

書類に不備がないように確認する、不備があってもその日中に修正できるように平日の早い時間帯に提出するなどの対策がおすすめです。

結婚式場を決定

結婚式を挙げる場合は、このタイミングで結婚式場を決定しましょう。

人気の式場はすぐに予約が埋まってしまう可能性がありますので、なるべく早めに準備を進めるのがおすすめです。ジューンブライドでお馴染みの6月など、結婚式に人気の時期を選ぶ場合はとくに注意しましょう。

中には、結婚式の予算や演出について、意見の食い違いで揉めてしまうカップルも多いようです。お互いの意見を尊重しながら進めていくことが大切ですよ。

結婚指輪の購入

続いて、結婚指輪を購入しましょう。

結婚指輪は、婚約指輪とはまた別に用意するのが通例です。ふたりで長く身につけていくものですので、希望にあったサイズ・デザインのものをチョイスしましょう。

周囲への報告

知人や友人、職場の上司などに婚約の報告をしましょう。

職場に報告する場合は、直属の上司、その他の上司、同じ部署の先輩、同僚の順に報告するのが一般的と言われています。寿退職や姓の変更など、事務手続きが必要な場合は、人事への報告も忘れずに行いましょう。

知人や友人、職場の上司を結婚式に招待する場合、式の3か月前には報告しましょう。予定を調整しやすくなりますよ。

婚姻届の提出・結婚式を挙げる

二人で決めた入籍日当日になったら、婚姻届を役所に提出しましょう。結婚式を挙げる場合は、このタイミングで行います。

婚約の注意点

最後に、婚約の注意点について解説します。

  • マリッジブルーになることがある
  • 万が一婚約破棄となったら

マリッジブルーになることがある

マリッジブルーとは、結婚生活に対する不安や憂鬱を覚える現象です。もともと変化を嫌がる人間にとって、婚約や結婚といった環境の変化は大きな負担になります。

婚約期間に入り、結婚について真剣に考え出すと、マリッジブルーに襲われる方は少なくありません。放っておくと気持ちが落ち込むばかりか、最悪の場合婚約破棄や離婚に至る可能性もありますので注意しましょう。

マリッジブルーに陥ってしまった場合、まずは自分が今感じている不安を洗い出してみてください。まずはどのようなことに不安を感じているのか、しっかりと向き合うことが大切です。パートナーがマリッジブルーになってしまった場合は、相手が感じている不安を共有できるよう、一度話し合いの場を設けてみましょう。

万が一婚約破棄となったら

婚約を一方的に取りやめることを、婚約破棄といいます。先述の通り、婚約は法的効果を持っています。万が一婚約破棄してしまった場合、相手に損害賠償や慰謝料を請求されることがあるので注意しましょう。

ただし、「パートナーが不貞行為を行っていた」「パートナーが回復見込みのない重度

の精神病を患ってしまった」などの事情があれば、損害賠償や慰謝料の請求を免れられます。民法では法的に認められる離婚の理由である「法定離婚事由」を定めており、婚約においてもこれに該当すれば、婚約破棄は法的に認められるのです。

なお、婚約破棄と似た言葉に、お互いの合意のもと婚約を取りやめる「婚約解消」があります。合意の上で婚約を解消しているという点で、婚約破棄とは異なります。

まとめ|婚約とは

今回は、婚約の定義や方法、メリットや注意点などをまとめました。

婚約は、結婚する前に必ず踏まなければならない大事なステップです。法的効果も持ちますので、くれぐれも慎重に行いましょう。

また、婚約破棄など万が一のことを考えて、婚約状態を客観的に示せるような証拠を残すことも大切です。

「自分たちに鍵って婚約破棄なんかあるわけない」と油断せず、しっかりと対策をしておきましょう。

パートナーとの婚約がスムーズにいくよう、応援しております!

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